三位一体改革と義務教育費国庫負担法改正について
政府与党は「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」や「三位一体の改革について(平成15年12月19日政府・与党協議会)」等を受け、国と地方の費用負担のあり方の見直しを図るという観点から、義務教育費国庫負担の負担対象経費を国として真に負担するべきものに限定するとして、平成16年度から退職手当及び児童手当に係わる部分(2,309億円)を国庫負担の対象外とする法律案を国会に提出しました。
15年度、共済費長期給付と公務災害補償の一般財源化によって10年ぶりに義教費に切り込んだ政府与党は、小泉政権三大改革の柱と位置づけられた三位一体改革の美名の下、在職中に支給される給与本体とは異なるものとして退職手当(約2,274億円)及び児童手当に要する経費を国庫負担の対象外とし、一般財源化を図ろうとしているのです。
しかもこれに伴う地方財源の手当てについては、財源委譲予定特例交付金という改革とはほど遠い交付金を創設するというものです。知事会を始め地方がこれに反発するのはもっともなことであり、当の麻生大臣みずから「義務的経費であります退職手当等々の一般財源化は、それ自体では地方の自由度の向上に資するものとは考えがたい。私もそう思います。」と本会議で答弁しているほどです。
また既に一般財源化された義務教育費共済費分とあらたに公立保育所向けの補助金など計4,249億円は、同額の所得税を「所得譲与税」と言う形で自治体に配分するとしており、16年度においては、税源委譲予定交付金2,309億円+所得譲与税4,249億円の合計6,558億円を地方へ税源委譲するとしていますが、これは地方が税財政の決定権まで握る「税源委譲」ではなく「財源委譲」であり、真の地方分権、地方の自立につながるとはいえません。
民主党は地域のことは地域で決められる「地域主権型社会」を目指しています。税源委譲に至る経過措置として、現在の補助金・負担金を原則廃止して五つの行政分野に大括りにする「一括交付金」を創設し、義務教育についても「教育一括交付金」によって自治体の裁量を重視する考えです。ただしその際、憲法や教育基本法・国庫負担法の基本理念であるナショナルミニマムや機会均等といった精神を生かした「義務教育財源確保法(仮称)」等の立法措置により国が一定の水準を示すことは必要であると考えています。
今回の改正でもう一つ注意しておかねばならないのが、政令改正で導入しようとしている総額裁量制です。政府はこれについて義務教育費国庫負担制度の根幹は堅持し、給与本体は国庫負担からはずさないという前提のもと、負担金総額の使い道を地方の裁量に委ね、標準法・人材確保法による水準を確保しつつ、都道府県が給与、教職員の配置を自主的に決定できるとしています。少人数学級の実現や習熟度別指導の充実など地方にとってのメリットのみを強調していますが、給与の過度な抑制や非常勤講師の極端な増加による質の低下など子供たちの教育環境に影響を及ぼす可能性も有り、慎重な運用が欠かせません。
これについても、民主党は30人以下学級の実現により、「わかる授業」を行う態勢づくりや学校現場が抱える様々な問題に対応できる態勢づくりを一貫して主張してきたところです。私は、子供たち一人一人が抱える問題を教師が把握でき、地域とともに守り育てることができる教育環境実現に向け今後とも努力してまいります。
平成16年3月8日 小平 忠正
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