第169回通常国会が閉会
6月20日第169回通常国会が、我が国憲政史上初めてとなる福田首相に対する問責決議を参議院で可決したままの不正常な状態で幕を閉じることとなりました。
道路特定財源でスタートしたこの国会は、ガソリン等の暫定税率問題、年金、高齢者医療の問題など、終始混乱したものとなりました。しかし「ねじれ現象」と表現されるこの混乱は、悪いことばかりとは考えていません。
霞ヶ関の官僚が決めた予算、法案をなぞることしかできない与党の形骸化したやり方に対し、その問題点をよりハッキリと示し、インド洋での自衛隊艦船による給油問題や年金の問題、さらには中央省庁による予算の無駄遣いや道路特定財源のように政府・与党がこれまで隠してきた都合の悪い真実を国民の皆さんに明らかにできました。
また国民の生活に直結するような問題では、早期に学校などの耐震化診断を実施する「地震災害防災特別措置法」などの法案が我が党の考えに沿って成立し、「国家公務員法の一部改正案」も民主党案を大幅に取り入れた形で成立いたしました。このように今国会における民主党の対案や議員提出法案は68法案に及び、企画法文化した法案は総計86にのぼります。これらは政権担当能力の一端を示したものと考えますが、本当の政権担当能力は、政権についてからしか示すことはできません。
いま私たちの郷土北海道では、誤った改革の痛みのみを押し付けられた多くの自治体が財政再建に必死に取り組んでおりますが、異常としか言えない原油高騰のあおりから地方経済の基盤をなす農業や漁業の経営を大きく圧迫しています。
農林漁業など第一次産業政策の根本的な見直しをはじめ、後期高齢者医療制度の廃止や地域医療を守る取り組み、さらには環境や教育問題等々は政権交代がなければ納得のいく解決ができない課題であります。福田総理は、衆議院の解散を否定していますが、このまま秋の臨時国会や来年の通常国会が開かれることになれば、地方の崩壊がますます加速し、国民の政治に対する不信は、取り返しのつかない事に成りかねません。
国民無視の無責任な政治をこれ以上続けさせないためにも、早期の解散、総選挙を行うべきであり、その先にある政権交代で「国民の生活が第一」の政治が実現できるよう今後も全力で取り組んでまいります。
政府・与党による社会保障の低下を許さない
政府与党の社会保障費削減に従い、財政制度審議会などにおいて、介護保険給付費削減に向けた議論が、財務省、厚生労働省を中心に行われております。
介護保険では2005年にすでに軽度者へのサービス削減が打ち出され、今度のこの論議が実施されれば要介護2程度の方まで制度から外され、65歳以上の6%しか利用できないものとなります。民間会社であれば、このような一方的なサービスの切り下げは、詐欺行為として社会的な制裁を受けることとなりますが、国であっても許されるべきではありません。
また現役世代に対しても雇用保険制度の国庫負担について、6月3日の財政制度審議会において「廃止を含めた検討」を打ち出しましたが、厳しい時期にこそ必要な制度である雇用保険制度を一方的な削減・廃止するのは到底許せるものではありません。
後期高齢者医療制度で政府は、75歳以上の7割の方が、負担が軽くなると公表し、幾つかの都合のよい試算を公表した上で、負担減と言っておりました。しかし厚労省の試算でも7年後には40%の保険料増が見込まれており、負担増を狙ったものであることは間違いありません。そこで政府与党は負担増部分にのみ着目し、予算措置で一時的に軽減し、目先の批判をかわそうと考えておりますが、一時的には凌げても、後になって急に大きな負担を回されたのではたまったものではありません。
この制度が敢えて必要な理由は見当たりません。財政的な均衡は重要な事でありますが、ただ削減のみを目的とし、国民の生活を無視したのでは、血の通った政治とはなりません。なにより問題は、この制度が人生の先輩方のプライドを傷つけたことであり、現役で働いている方でもやがては高齢者となって、最後にはすべての人が対象となる制度です。私は、今後の高齢者医療のあり方や財政面、更には地方の社会保障のあり方も含め、最善の制度を構築できるよう早急に議論を進めていきたいと思います。
農林漁業の活力が地域を守る
私は民主党内に米価対策小委員会を立ち上げ、座長としてこの会議を運営し、この程 適正な米価価格形成と自給率の向上に向けた「当面の米政策の基本的方向」をまとめました。
米の価格下落は、単に農家収入の減少を招くだけでなく、農地の保全や農村経済への打撃となり、この国の食料自給率向上に向けた取り組みにも大きな影響を与えることとなります。米価下落の大きな要因ともなる過剰生産対策として、米の需給調整がありますが、政府の政策では、生産者による自主調整が主体で、生産調整のメリットは、協力していない県をも助けるような、著しい不平等状態を生んでいます。
産地作り交付金も、将来にわたって安定的に交付される仕組みとなっておらず生産者の将来をより不透明なものとしており、生産調整を進める上で片手落ちの政策となっています。
こうした問題を解決するためにも、減反により減少する収入面での補填などの収入安定化策が必須であります。更には現在の米の備蓄制度を根本的に改革し、市場隔離政策として回転備蓄から棚上げ備蓄へと変更するべきで、これらの備蓄は、緊急国際援助米としての活用を本格的に検討しなければなりません。
一方、需要面では米粉の活用を本格的に推進するとともに、主食用以外の飼料用の活用も強化するなど、米食の推進とあわせた抜本的な米の消費政策を確立してまいります。
原油の高騰を受けて、酪農・畜産経営でも大変厳しい状況におかれております。 旱魃やバイオエネルギー原料との競合など飼料穀物の国際的な逼迫と相場の上昇、さらには輸入に関わる海上運賃などの輸送費の上昇など、飼料価格の上昇は、もはや農家個人の経営の努力を超え、これまでの乳価引き上げ等の対策も酪農経営を安定化させる抜本的なものとはなりませんでした。経費の上昇部分をそのまま価格に転嫁することが極めて難しい我が国では、国内飼料と国外飼料の価格差を解消していく努力と当面の間の差額補填実施が重要であります。
しかしこれらの生産者経営を守る為の価格維持安定化策は、一面では安い物が欲しい消費者利益との軋轢を生んでいることも事実であり、双方の利益を合致させた政策の柱として、戸別所得補償制度が実現できるよう全力で取り組んでまいります。
長期の魚価低迷と燃油の急激な高騰から漁業・水産業経営も大変に厳しい状況におかれております。イカ漁船などの一斉休漁が、マスコミでも大きく取り上げられ、このほかにも出漁すれば燃油代で赤字になるなど自主休漁で出漁機会を意図的に減らしている漁業者も多く見受けられます。
漁業においては生産に際し、どうしても燃油が必要となっており、そのほか漁具・資材においても石油由来の製品が多いことからすべてにわたって生産コストを押し上げ漁家経営を圧迫しております。
四方を海に囲まれた島国日本において、水産品は日本人にとって重要なものであることは論を待ちません。しかし現在の水産品自給率は約60%で海外からの輸入も、「買い負け」など確保が困難になりつつあり、いかにして国内の水産生産力を維持・強化して行くかが、今後の食料の安定供給においても大変重要な課題となっています。私はこれまで水産基盤整備促進事業の促進やトド対策など、管内の課題に取り組んで参りましたが、今後も燃油の高騰への緊急対策をはじめとする所得安定対策や漁村振興対策の確立に全力で取り組んで参ります。
林業関連では、本国会で「緑資源機構」が廃止されることとなりました。これは官製談合事件を発端としたもので、これら不正については当然批難されるべきであると考えますが、その事業については、山村振興や国土保全、さらには地球温暖化対策として重要な森林の保全など益々重要になってきていると考えます。これまで第一線で山を守ってこられた現場の皆さんには、今回の事件の責任は無いわけであり混乱の無いよう努めなければなりません。また予算についても一般会計部分と特別会計部分に別れ、主伐材の販売について複雑に輻輳する現在のやり方は適当とは思えず、特別会計を廃止していく行革法との整合性もあり、整理が必要であると考えます。
今年は北海道でサミットも実施され、地球温暖化対策が重要なテーマとなり、森林の重要性は増すばかりです。予算でも間伐面積の拡大など措置されておりますが、本年の緑資源機構に関わる大きな変更が、現場に混乱を与えることのないよう、また現場の貴重な技術が失われることのないよう雇用対策に万全を期し必要な予算の拡充に向けて努力してまいりたいと考えます。
地方切り捨て政治に終止符を 〜地域問題化する医療と自治体財政〜
地方自治体財政の立て直しが喫緊の課題となっております。
小泉政権下の三位一体改革以降の6兆円に上る交付税の切り下げにより、地方は大変厳しい財政運営を強いられております。
財源偏在の調整弁として本来交付税があるのですが、その財政再配分機能も政府によって恣意的に利用され、補助金行政の手段と化しているため、財政が好転するどころかむしろ交付税の自由度を束縛する結果となっております。
さらに過疎の進む自治体では、自治体病院など地域のセーフティーネットが崩壊の危機にさらされております。地域の医療をどうしていくのか、大変に重い課題でありますが、広域連携化し再編する場合であっても、それぞれの地域の生活圏と住民の結びつき、事情に配慮し、地域の理解を得て実行するべきであると考えます。また先般北海道議会において支庁再編の条例が可決しましたが、小泉政権以降推し進められてきた地方切捨ての改革によって、最も痛みを感じているはずの北海道が、同じ手法で財政再建を目指すと言うのは、全く理解できません。
各自治体においては、すでに十全の自助努力を行っており、その中にはもはや限界に近い自治体もあります。業務中、極力電気をつけていない自治体が殆どで、職員給与の削減も最早限界レベルまで来ており、地方交付税の増額は当然のことながら、何よりも現在の中央集権型社会の抜本的改革を行い、地方に対して人材、財源、権限を大幅に移転する分権型社会の確立を一日も早く実現できるよう最善を尽くしてまいります。
教育環境の整備に全力を
小泉政権下の2003年、骨太の方針第3弾を受けて、義務教育国庫負担金が3分の1に縮減されました。また教育公務員の数についても児童・生徒数の減少を上回る数が、行革の名の下に実行されております。
本来国が責任を持つべき義務教育において国庫負担金の削減は、国の責任放棄とも言え、現在でも先進国の中で低い教育予算であるにも関わらず、更に圧縮しようという意図が見て取れます。国家財政が縮減される中、自治体に教育の財政的な責任のみを転嫁しつつあり、自治体財政も緊迫しているなか、政府の無責任な姿勢は看過できるものではありません。
教育は、投資が結果として直ぐに現れ難い性質を持っており、一度崩れると中々建て直しもきかず、容易には回復できないものでもあります。しかるに政府は、柱に教育振興基本計画を策定したものの財源については無策であって、民主党では、その点を指摘し、整備・推進のため将来的には先進国並みの対GDP比5%の財源を確保するよう法案を提出致しました。成立には至らなかったものの、衆議院文部科学委員会での教育振興基本計画に関する審議の際、この内容を盛り込んだ決議を実施することができました。
教育は、子供たちの生涯を通じ残してあげられる大切な財産であって、子供の一生を左右する重要なものであります。今後も教育の整備・推進のために努力して参ります。

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